2024

01.04

令和六年 社長からの年頭のご挨拶

 皆様、明けましておめでとうございます。旧年中は、弊社をお引き立ていただきありがとうございました。今年も、「常にお客様にとっての最善を求め、魂のこもった仕事をする」を社訓として事業に取り組んでまいりますので、倍旧のお引き立てをよろしくお願いいたします。

 岡山経済同友会の講師としてお招きした前野隆司先生の「幸せのメカニズム-実践幸福学入門」を読みました。技術者である前野先生が統計的手法を用いて、「幸せになるための人間の心のメカニズム全体を明らかにする」という試みと、その分析結果が読みどころの本です。「自己実現と成長」「つながりと感謝」「前向きと楽観」「独立とマイペース」という四つの因子を取り上げ、それぞれについて詳しく解説されています。ご一読をお勧めします。
 ここでは本の最終章、「幸せな人と社会の創り方」を読んで感じたことを書きたいと思います。
 近代西洋の進歩的な世界観は、「成長し発展することが良い事」「機能が低下し衰える事は悪い事」であり、この考え方に基づく「成熟期に入った経済」の運営は矛盾に満ちたものになる、というものです。つまり、「利己的に経済成長を目指す成長期」「利他的に世界の文化的貢献を目指す成熟期」に分け、成熟期の経済制度は、市場的基準のみに基づくのではなく、社会的基準も取り入れた分配が行われるように改革されねばならない、と言い換える事ができると思います。
 昨今の世界、温暖化、富の偏在、教育の荒廃など、資本主義が「善」とした「蓄積」を追求する経済理論では解決できない問題が深刻化しています。特に「資本主義の次に来る世界」を創り上げるべき先進国に求められる「成長志向システムの見直し」を未だに行われていないためだ、と言われます。人為的な希少性の圧力から解放され、経済の生産量は減るが基本的な欲求が満たされる「幸福な社会」の追求、それこそが成熟期にふさわしい経済理論だと言われています。
 会社組織が究極的に目指すところは、「役職員の幸福」です。会社組織を成熟期にふさわしいものに見直すため役職員の意見をよく聞き、また、会社の考え方を根気強く伝えて、力を合わせて新しいチャレンジを行うことがこれからの目標です。新しい年を迎えて、新たな気持ちでチャレンジしてまいります。

 最後に、今年一年が皆様にとって輝かしい一年になりますことを、心より祈念いたしております。

アイサワ工業株式会社 代表取締役社長 逢澤寛人